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人形・映画・小説。なんでもありの日記。

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曼珠沙華

『お久しぶりです。潮殿』
光覇明宗の付属高校に入ったうしおだったが、入学して半年も立たない間に落ちこぼれそうになっていた。授業態度も悪くないし、友人だってできて、関係も良好だ。
もちろん『白面のものを滅ぼした』『獣のやりの継承者』『金色の大妖と一緒に戦ったもの』うわさは付きまとって最初は遠巻きにされた。
それでも気にしない振りで声をかけ続け、ようやくぽつぽつと友人ができ始め、ようやく高校生活を謳歌できそうなそんな矢先。

夏休み前の期末テストの成績でうしおは担任に呼び出され、補習を受けることになった。
もとより光覇明宗は妖怪の調伏を担っているので、法力の授業もある。しかしうしおは授業を受け何度も練習しているというのに一向に法力は発動しなかった。
父親は光覇明宗の中でも位の高い僧で、母は白面のものを封じていたほどの力の主だった。しかしうしお自身の法力はといえば1学期の授業すべてと居残り勉強をあわせてようやく発せられ、それも極微量。
妖怪の調伏に至るほどではなかった。さらにもともとの成績不振もあり、補習を言い渡されたのだった。最初の2週間は授業の補習。そして2週間は法力の補習ということで、光覇明宗の情報部が指定した場所へ行き、そこで特訓ということになった。
さらに補習が終われば実家の寺が法事で忙しくなる。


「夏休みなのに休んだ気がしねえ…」
深い草と木の緑のにおいに鼻を動かしつつ、うしおはぼやく。
光覇明宗の指定した場所は遠野。よく知っている場所だからと道案内も断り、黙々と歩いていた。
じわじわとやかましくなくせみの声、時々血をすいに来る蚊をたたきながらうしおは奥へ向かう。森の奥深く、以前来たことのあるところへ。しかし、いい加減歩き続け、くたびれてしゃがみこむ。
干上がりそうなのどに、ぬるくなったペットボトルのお茶を流し込み、ふうと息をつく。
さて、どちらだったかと辺りを見回したときに声が聞こえた。

「お久しぶりです、潮殿。お迎えに参りました」
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