SANS-SOUCI

人形・映画・小説。なんでもありの日記。

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恋はあせらず

「ランボ。聞きたいんだけど」
「んぐ。なぁに、イーピン。真面目な顔で」
「ケーキを離しなさい」
ランボは名残惜しそうに、ショートケーキを離した。口の周りに付いている生クリームを、新しく開けたお絞りでぬぐってやる。
秋も深まる頃のオープンカフェはカップルが多い。その中を姉弟然とした二人は目立っていた。
「んぐんぐ。・・で、なぁに。聞きたいことって」
「リボーンのこと」
「リボーン?・・・あ~・・・前よりは好きだよ?」
気の抜けた声に、イーピンは脱力する。いや、違う。
そういう返事ではなく、もっと深い返事を求めているのだ。
「うーん・・・・なんていうかー・・・・恋愛感情で」
「れんあいかんじょう?イーピン・・・オレとリボーンは男同士だよー」
それに昔から『殺してやる』といっていた仲。ありえない、あはは。
明るく笑い飛ばして、ランボは食べかけのショートケーキをフォークでさした。

イーピンもそこまで言われると困ってしまう。モンブランをつつきながら、少し考えた。
「じゃあ、あたしとリボーンが付き合うって行ったら、どうする?」
「え!付き合うの、うそっっ!」
「た・と・え・ば!」
はしゃいで大声を上げたランボは、鋭くイーピンに制されて、愛想笑いを浮かべた。いつも可愛いイーピンは『期待される殺し屋第三位』の輝かしい未来の持ち主だ。
ランボはと打て勝てそうもない。
生クリームを舐めながら、少し考えた。
「うーん、うーん・・・相手がリボーンなのが癪だけど、おめでとうっていえる気がする」
「本当?」
「うん・・・あ、でもちょっと寂しい」
「えっ?」
イーピンは、弾んだ声を上げた。そうそう、こういう反応を待っていた!リボーンをとられて寂しいとか・・・。
「二人がくっついたら、オレ、仲間はずれじゃん?」
「え」
「ほら、三人で遊びに行ってもさ、オレだけ別行動しなきゃだし」
「・・・・」
(違うわァああ!この天然がああぁあ!)
イーピンは天辺の栗を突き刺した。ぶじゅ、と哀れな音を立ててモンブランがつぶれた。シロップをしみこませたスポンジも台無しだ。
「イ、イーピン?ごめ・・・オレ、へんなこと言った?」
「・・・言ってない」
「えーなんで怒ってるのー?あ、やっぱ付き合うのリボーンと。遠慮なく言っちゃって」
「違うったら」
ああ、もうこの激にぶ天然をどうしてくれよう。これではさすがのリボーンも手を焼くわけだ。


「そういうわけなのよ」
「そういうわけか」
はぁ。
後日。今度はリボーンと待ち合わせをしたイーピンは深いため息とともに説明をした。エスプレッソを飲みながら聞いていたりボーンは、驚きもせず、常の冷静さのまま話を聞き終えた。
「まぁ、うすうす感づいてはいた」
「やっぱりね」
「あいつはまだ子供なんだよ。好きは好き、嫌いは嫌い。恋愛感情まで育っちゃいない」
「でも好きなんでしょう?」
リボーンは器用に片眉をあげた。
「・・・・あァ、好きだ。とても」


(うへへ。今日は何を食べようかなぁ)
弾んだ足取りでランボはいつものカフェに向かっていた。入り口近くの植え込みにたどり着いた時男女の話し声が聞こえた。聴きなれた声に足を止める。
(リボーンとイーピンじゃん)
「・・・好きなんでしょう?」
「あァ、好きだ。とても」
(うえ?)
ランボは思わず立ち止まった。
あのリボーンの口から『好き』だなんだ単語が出るとは。似合わない。
似合わないのに、
(あんな甘い声がでるんだ)
いつもの無表情の声とは違う、柔らかくて感情のこもった声だ。
それをイーピンに向けていることにランボは驚いた。
(・・・いいなぁ)
ランボに向けられる声は、たいてい罵倒する声だ。アホとかばかとか牛とか。あんな甘い声を向けられたことはない。
ぎゅう、とランボは胸元を押さえた。
聞いたことのないリボーンの声、きっとイーピンもランボの見たことない女の子らしい表情だろう。
そんな二人を見るのがいやで、そっとカフェから身を引いた。そのまま来た道を後ずさっていった。


「来てたな」
先ほどランボの気配を感じていたリボーンは、エスプレッソのカップの陰でポツリと漏らした。
「・・・そうみたいね。聞かれたかしら」
「かもな」
「わざと言ったんでしょう。聞かせるように」
イーピンはあきれた顔でミルクティーを啜った。
「どうかな」
「あたし、もう知らないから」
巻き込まないでね。
釘を刺したイーピンに、にやりとリボーンは笑った。
「ま、それはあの馬鹿牛の出方しだいだ」
楽しみだ。
エスプレッソを飲み干したリボーンは言い置いて席を立つ。イーピンは手を振って見送った。
人騒がさせな幼馴染に振り回されるあたしってかわいそうかも?と重いながら。
(ああ、いい恋がしたいわァ)
カップのふちをかみながらまたしみじみとため息をついた。



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この記事のコメント

うわーーーーん、こういう雰囲気大好物だぁ。
もうっイーピンが可愛いすぎる!
リボーンがこんな事相談するのが唯一イーピンなんだなぁって感じで3人の関係が今日ので、くっきり明快になったよね。
これは、色々想像しちゃうよーー。
今後の展開も多方面から書けそうで、いいお話でした(●^o^●)

2006-10-04 Wed 11:42 | URL | 弁天 #-[ 内容変更]
あ・り・が・と・うございます~。
二人を見守るお姉さんポジションがイーピンです。私的に。
いろいろ想像してください!(でもやっぱりリボランにする予定(腐)

毎日愚痴メールしちゃってごめんね(平伏)。
2006-10-04 Wed 21:03 | URL | 天藍 #-[ 内容変更]
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