SANS-SOUCI

人形・映画・小説。なんでもありの日記。

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amore di maschera

(何か、なじめないなあこの雰囲気…)
着飾った男女、わずかにアルコールの混じった空気、華やかな照明、クラシック音楽。
少しでも空気になじむようにと着飾っているが、襟元とか、髪の辺りがもぞもぞ落ち着かない。
(ボスは似合うよって言ってくれたけど)
パーティーに出る前に支度をしてボスの家に顔を出した。
パパ・ボヴィーノは笑顔で褒めてくれた。そして、
(申し訳ないね、いつも。こういう場所に入り込めそうなのはお前くらいしかいないから)
いいんですよ、パパ・ボヴィーノ。
使ってもらえるだけで嬉しいです。
そう言ったら頭をなでられた。そして頬に唇を当てられた。
(いっておいで、可愛い子)



地元の有力者のパーティー。
その実、麻薬と金と女が飛び交う、パパ・ボヴィーノでなくたって眉を顰める。眉を顰めるだけならともかく、そのパーティーの中で麻薬が取引されてたり、人身売買されてたり、銃器取引されてたり。
そんなのが行われてたら放っておけないわけだ。
自分の縄張りは綺麗でいたいもんね。
そこにまぎれて取引をすべてつぶすこと。今回の役割。
人はあんまり殺さない。これ大事。
だから今日は拳銃はなく、電撃角だけ隠し持っていた。ボディチェックもあるだろうから、それをスルーするためには銃は持っていかないほうが得策だ。



(さてどうするかな…)
表向きは和やかなパーティー。いつ折を見て出ようかと、視線をさまよわせる。同時にざわっと人がどよめく。
(何…)
「おぅわ」
思わず声が出た。会場に到着した人物にホール中の人が釘付けになり、自然と道を開けたんだ。
闇の髪、闇の目、黒の正装。どこまでも黒い闇の中を生きて纏う者。
コートを預け、人の割れ目をまっすぐ歩いてくる。オレは呆然として立ち尽くしていた。
「……っ」
「…ふ」
すれ違い様、視線が合って小さく笑われた。
(なに!?)
何かおかしかったかな、いや待てそれよりも。
(何しにきた!)
通り過ぎたリボーンを見送ると、なにやら着飾った女性が抱きついた。有力者の親戚の女性だったかな、女優だったっけ?美人、ではあるけど凄みがあって、オレなんかは引いちゃうタイプ。
そんな彼女の腰を掬うようにして抱えて、人にもまれるようにして奥へ行った。
「ちょ、何…え、個人的な?」
思わず一人でぶつぶつ声を漏らすと、通りすがりの可愛い子ちゃんがいやそうに逃げて行った。ちょっと傷ついた。
取り繕うにソフトドリンクのグラスを傾けてみる。
(個人的な付き合いがあるのかも…銃の取引とか。麻薬、はありえないけど)
もしこのパーティーをつぶすなら、リボーンが俺に銃を向けるかもしれない。それを考えると内臓がすくむ気がする。
(でも、やらなくちゃ)
(パパ・ボヴィーノの依頼だから)



懐の電撃角に手を伸ばした時、屋敷が揺れた。
地響きがして、爆発音が続く。
女の人の甲高い悲鳴と我先にと逃げようとする人たち。人の波に押されそうになって慌てて踏ん張って、屋敷の奥を見上げた。もうもうと黒煙が立ち上っている。
(なんで!?)
キッチンからの出火、なんて生易しいものじゃない。人の流れとは逆に、奥へと走って行った。奥には取引場所とされる部屋が並んでいたはず。
廊下を走っていくと、炎が噴出している部屋。慌てて逃げていくのは女性が多くて、肌蹴るドレスもあらわに逃げて行った。
また爆音。
窓ガラスが振動で割れ、廊下が走りにくい。銃の発射音が聞こえ、首をめぐらせてそっちへ向かった。
「おせーぞ、あほ牛」
「…っ、な…リボーン!」
炎から上がる陽炎の先にさっき女の人と奥へ消えたリボーンがいた。にやにやとずいぶん機嫌がいいように笑っている。
「とりあえず、3個ほど爆破させておいた」
「は?」
「貸し、だからな」
「へ?」
「お前の仕事だろうが」
ここの取引をつぶすの。
リボーンがさらりと口にした。なんで、そのこと知ってんの。
顔に出ていたらしい。リボーンは舌打ちしながら、
「ツナがな…」
「ボンゴレが?」
きょとんと尋ねると、深い深いため息をつかれた。え、何?
「過保護すぎるんだよ、あいつは」
「??」
「お前だけじゃ大変だろうからって、休暇中のオレを!オレを呼んだわけだ。直前までオレが何してたか分かるか?モナコだ。モナコで半年の休暇中だったんだよ、あァ?」
そ、そんなこと言われても。
ボンゴレのことをおせっかいなんて思ってるわけじゃないんですよ、オレのこと心配しすぎーとか。あはっははは、まさか。
恩に思いこそすれ、おせっかいなんて言ったら、ライフル銃で殺されちゃいますよ。
でも…でもボンゴレ。
リボーンにいわなくても、よかったんじゃないかなって。援軍なら、他の人でも助かったと思うんですよね…。そんなことを思ったら罰当たりですか…。
思考に沈んでたら、顎を持ち上げられた。グイって。イタイイタイ!
「おいコラあほ牛、よく覚えとけ」
「顔近いよ」
「爆破3回だ。1回に付き一週間付き合え」
「ほへ?」
付き合うって、あれですか。
健全に映画見て食事して、なんてそんなわけないんだよね、リボーンだから。
むしろベッドから出ない1週間、ひぃいいい。
「楽しみだな」
全然楽しみじゃないです。
舌なめずりしないで、怖いよ、この人!
とん、と肩を突かれた。行って来い、と。
「銃と爆弾倉庫はふっ飛ばしたから、あとは部屋にいる麻薬中毒者たちと、薬を片付けろ。すぐだろう」
「え…う、ん」
「10分で片付けろ」
「10分?」
「片付けたらすぐモナコ」
「は?」
「10分こえたら貸し1ヶ月延長」
延長?
てことは、足腰立たないほど1ヶ月過ごせと。ひぃい。
青くなったオレは大急ぎでリボーンの言う部屋に駆け込んで、片付けることに専念した。


結果?
何とか延長は免れましたよ、いやほんと。
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「リボーン。ランボのお見舞い、いってくれる?」
「は?」
ツナからそういわれたとき、リボーンは強く聞き返した。『なんであのあほ牛の見舞いなんか』という思いと、『二日前ぴんぴんしてたのにどうしてだ』が、とっさに混じった「は?」なのだ。
苦笑をこぼして、ツナは説明した。
「ほら、今日は会合の予定だったろ?『申し訳ないけど、欠席する』って連絡あったしさ」
「それだけか」
「うん。まあ、会合って言っても年末休暇に入るからお疲れ様、みたいなのだから支障なかったけど・・・・・ランボが休むなんて相当だからさ」
確かに頑丈ではないが、病気はあまりしない。
(アホだからな、あいつ)
「じゃあお前・・・」
「オレはディーノさんと獄寺君の実家に行くし、山本とヒバリさんは日本だし・・・あ、了平さんもか。時間がありそうなのはリボーンだけで」
「オレだって忙しい」
「愛人めぐりに、だろ。顔出すだけでいいから」
笑顔で押し切られ、さりとてボンゴレボスの『お願い』を無視するわけにもいかず、リボーンはランボの家へ向かった。繁華街の外れにあるアパートメントの一室だ。
一応奴もヒットマンで生活しているし、ファミリーの中にいればもっといい部屋に住めそうなものだが。
きしむ階段を上り、ランボの部屋のインターホンを押す。
返事なし。
いないのかときびすを返しかけたが、ふと小さな物音に気づく、人の気配は1つきりだ。
(・・・なんだ)
誰かに襲われて動けなくなっている可能性もある。
(面倒くせぇな)
眉間を寄せて愛用に銃を引き抜くと、扉に手をかけた。鍵はかかっていない。舌打ちしたいのをこらえて入り込む。
間取りは分かっている。はいってすぐがダイニング、右にベッド、左にバストイレ。気配は右から。
気配を殺してベッドルームに行くと、果たして。
シャツを途中で脱ぎかけたランボが、ベッドから半身落ちながら転がっていた。


「このあほ牛がっ!」
ランボが目を覚ますと、リボーンが馬乗りになって服を脱がそうとしていた。
「ひあぁあえぇえ・・・?」
「間抜けな声を出すな、萎える」
逃げようとしたが、力が入らずもがくだけに終わった。
「ななななに?」
「何、じゃねぇだろ。体冷えてるのにあんな格好で寝やがって」
「・・・え」
途中から記憶が途切れているランボはきょとんとした。落ち着いてくると確かに体はだるいし、ぜいぜいと喉が鳴る。
勢いよくパジャマを投げつけられた。
「ぶふ!」
「てめーは大人しく寝てろ。・・・・あーちくしょうツナの奴・・・」
リボーンはぶつぶついいながら、スーツを脱ぎ腕まくりをする。
なにやらキッチンで作るようだ。それを見てランボは水気を含んだ目を瞬かせる。
あの、リボーンが。ランボの家のキッチンで。何かを作る。
(もしかしたら自分のご飯かもしれないけど)
もしランボのだったら。
(あ・・・なんだか嬉しいかも)
ほとりと水が落ちた。


「起きろー牛ー」
「・・・んにゃ」
「飯だ」
おいしそうなチーズの香りに、ランボは目をこする。
いつの間にか眠っていたようだ。鼻先にチーズたっぷりのミルクリゾットを突きつけられて、跳ね起きた。
(あ・・・大分楽)
熟睡したのと、額に張られたシートのおかげだろう。えらそうに仁王立ちしているリボーンを、今日ばかりは拝みたい心持だ。
「食え」
「・・・・ありがと」
差し出されたリゾットを恐る恐る受け取る。チーズとミルクの香りにうっとりしながら、スプーンをとって口に運ぶ。
「やけどするなよ」
「あっつ!」
リボーンの注意と同時にランボは悲鳴を上げた。
「「・・・・」」
はァ、とため息が聞こえ、思わず身をすくめる。いつもなら怒鳴られているところだから、条件反射だ。ぐい、と顎をつかまれた。
「いっ!」
「・・・そんなにひどかねぇな」
べろリ、と口の端をなめられた。もともと火照った頬が、さらに熱っぽくなる。
「うぅ・・・」
「ほら」
少しだけスプーンに載せて差し出される。ランボは目を丸くした。
(これはもしや『はい、あーんvv』みたいな・・・ッ)
「冷ますのは、自分でやれ」
「あ、はい」
はふはふと息を吹きかけ、少しずつ口にする。リボーンは何かいうかと思ったが、もくもくと口に運ぶだけだった。
(何か今日は優しい・・・風邪、ひいてるからかな)
いやまさか。
(前は急に襲われたんだっけ?じゃあ今日のは何)
「よし食ったな」
「ゴチソウ様」
リゾットを完食し、薬も飲んだところで、リボーンはランボを布団に押し込み抑え付けた。
間違いなく抑え付けた。
「ぅぐ!な、なにリボ・・・ッ!」
もがいた拍子に、リボーンの底光りする目を見てしまった。
(こここわっっ!)
「さァ吐け。アホのお前が風邪なんて上等なもん、引いたわけをな!」
「は、はえ!?」
「おかげでオレは足止めだ。早く愛人のところに行って休暇取りてぇんだよ」
ツナの命令じゃなきゃほっとくのに、とうなり声を出されて、ランボはまた目を潤ませた。リボーンは仕方なくきたのだ。
「おら、さっさと話せ」
「耳・・・・ひっぱんな!」
振り払おうと仕立ては、するりと耳から首下に落ちた。熱でほてった肌にリボーンの冷たい手は気持ちがいい。思わずすりつくと、パジャマの中に逃げた。するすると胸元をたどって、突起をつまむ。
「・・・ンッ」
「お前、ここ好きだもんな」
いつもは柔いそれも、弄られ続けると赤くしこってくる。それを指でこね回されると腰がもじ付いてきた。知らん振りで、リボーンは声をかけてくる。
「あほ牛。話せ」
「ん・・・ァ。二日前、あったろ」
「あァ。お前、愛人連れてたな」
「こ・・・恋人、だっ」
付き合っている人を愛人と称するリボーンは、常に片手では収まらないほどいる。それも飛び切りの美人ばかり。反してランボは一人に集中する。
たまたまリボーンと会った時に、彼女とデート中で。リボーンは彼女を気に入ったようだった。
「お前にはもったいないくらいの美人だからな」
「うるさい・・・っ」
リボーンは彼女の手をとってキスしたのだ。その気障たらしさにランボはあきれたのだけど、年上の彼女はころころと笑った。
『とても素敵な方ね』
挨拶、位の気持ちで彼女はいったと思う。リボーンは常にない微笑で、
『あんな奴よりオレと付き合いませんか?』
なんて事を聞いたのだ。ぎょっとした。
女なら普通ランボよりリボーンを選ぶ。彼女を伺うと、そっと微笑を浮かべて、さらりと交わした。
『それはランボに聞いてくださる?』
リボーンはその返事に満足そうに笑い、その時はそのまま別れたのだけど、そのあとの彼女の言葉がショックだったのだ。
『まるで自分のカレシが、別の人に目移りしてる女の子みたいな顔してるわよ』
いやそんなまさか。
何でそんな顔をしなくてはいけないんだ、ランボさんがリボーンに?
まさかまさかまさかまっさかさま。
考え込みすぎて適当にお風呂を使って寝たら見事に熱を出した。
「・・・・お前」
地をはうようなリボーンの声に、ランボははっと口を閉じた。
しまった、何か余計なことまでしゃべった気がする。
「それはなぁ、知恵熱ってんだ。覚えとけ・・・」
「ちえねつ?」
「普段つかわねぇ頭使うからそんなことになったんだろうがァああっ!」
襟首をつかまれそうになって必死でランボは防御体制に入る。この体調で振り回されたら、熱がぶり返すどころか死後の世界が垣間見える気がする。
亀のように身を丸く硬くしたランボに、腕を伸ばしてリボーンが抱え込む。その暖かさにじんわりとほだされてそろりと顔を上げる。
「そういや、さっき途中でやめてたっけな」
思い出したようにリボーンの指が胸の突起を弄り始める。先ほどよりも荒っぽい手つきで、直截な刺激を与えようと手もパジャマのズボンをもぐっている。
「ひ、ァ・・・ッ!リボ・・・無理・・」
「無理じゃねえだろ、熱下げるのには汗をかくのがいいって、ツナのママンもいってただろうが」
「それとこれとは別・・・・ンふ・・・・」
「体はそういってないみたいだけどな」
自身からもれた先走りでぬれた手をわざとランボに見せつけ、唇をわって指が入ってきた。舌に感じる味に首まで熱い。
「くふ・・・・」
「ふん・・・いやいや言ってたのは最初だけか」
ぬる、と唇からリボーンの指が抜かれると、唾液が糸を引いて滴る。その情景に目を伏せるが次に後孔に触れる感触に目を見開く。
「い・・・ッた!リボーン!」
「うるせえ。大人しくしてろ」
先ほどランボの口に入れていた指が、後孔を和らげようと動き始めた。思わず目をつぶるとリアルに感じる。胎内に入り込んだ指が、内壁を掻き分け奥をくすぐる。こり、としこりを引っかくとランボが体を痙攣させる。
「ぅあ・・ッ!そ、こ・・・だめ・・・ッ」
「うるせえ、あほ牛。気持ちいいんだろうが」
ぴしゃりと言い返され、先ほどのしこりをいやになるほど擦られた。リボーンが飽きて指を抜く頃にはランボは息も絶え絶えに感じ入っていた。
「は・・・・ぁふ・・」
「何一人で気持ちよくなってるんだ、あほ牛」
「な・・・・・に、リボ・・・・・」
かすれた声で聞き返そうとするが、衝撃で目を見開く。胎内にリボーン自身が割り込んできたのだ。
「ぅ、あああ・・・ッ」
「やっぱり熱あるときは、熱いな・・・・」
喉の奥で笑う声が降りてくる。やっぱり、というのはランボが以前風邪を引いたときに急に襲いに来たときのことを言っているのだ。
頬を紅くしながら、埋め込まれた自身の衝撃をやり過ごそうとするが、急に腰を抱え込まれ荒っぽく揺さぶられる。
「あう・・!あん、んんっ!」
「イイ声出してんじゃねえよ」
中を擦りたてられる快感と、わずかな痛みにランボはめまいがしてきた。くらくらする頭の中、激しく中を抉られる。
「いた・・・ぃ、やあ!」
「や、じゃねぇだろ」
「く、ぅ・・・・ンァ!そこ、だめ・・ッ」
蕩けた声を散々上げ、ようやく胎内に白濁が吐き出されると、触れられてもいないランボの自身も同じようにはじけた。それを見たりボーンは
「後ろだけでいけるようになったか・・・」
感慨深げにつぶやいた。


「・・・・・はふ」
眠りに落ちていたランボは目を覚ました。
どきどきする心臓を押さえると、パジャマの感触。脱ぎ捨てたはずなのに、と思って体を起こすと綺麗に体が清められ、後始末もきちんとしてあった。
(リボーンがやったのか・・・?)
さすがにランボの体を気遣ったのだろうか。辺りを見回すとすでに人の気配はなく、静かだった。一応は看病した、という名目は達成したからすでに愛人の家へ向かっているのだろうか。
ひそかに寂しくなりつつもサイドボードを見るとミルクのリゾットが置かれていた。まだ湯気が出ている。
リゾットの下にメモ用紙を見つけ、引っ張り出すと流麗なリボーンの字が書き付けてあった。
『帰る。ツナが心配するから早く直せ』
ぶっきらぼうな書き方だと思った。あれだけ好き勝手しててそれだけか。下のほうに小さく、『愛人になりたいなら、してやってもいい』とかいてある。
「何が愛人だああああ!なるか、そんなもん!」



後ろがグタグタ。
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恋はあせらず

「よう」
「・・・あ、あ!イーピン、オレ用があるから、帰るね!」
「あ、ちょっとランボ!」
立ち話をしていたランボは、リボーンの姿をみるなり、慌てて逃げるように走って行ってしまった。
それを見送ったイーピンは気まずい顔をする。
「・・・ごめんね、リボーン」
「イーピンが謝ることないだろ」
「だけど・・・・なんかあれから気まずくない?」
そっと伺うイーピンに、リボーンは肩をすくめ促す。一緒に歩いて行きながら、二人はなんとなく押し黙りぽつぽつと合間に口を開いた。
「あれからランボ、ちゃんと話してないでしょ」
「・・・まあ、な」
話そうとする前に、相手が逃げる。見ているイーピンのほうが気の毒になってくるくらいの、逃げっぷりだ。
リボーンのストレスが堪っていることは、想像に難くない。
「・・・まァイイ、後でじっくり分からせてやるさ」
「・・・・」
にやり、と不気味に笑うリボーンを見て、イーピンは内心身震いする思いだった。
とてもとても怖かった。



「・・・はぁ」
逃げてきたのはいいけれど、行き場がなくてとぼとぼとランボは歩いていた。学校にいったって、家に帰ったってすぐにリボーンが顔を出しに来る。
「そだ、カフェに行って時間つぶそうっと!」
妙案、と頷いてカフェに向かう道を歩こうとした。
「んぐ!」
わき道から現れた腕がランボの口をふさぎ、路地へ引きずり込んだ。目を丸くしてランボは、腕の持ち主を見ようとした。
さっきまで気配はなかったのに。
目を見開いた先には、
「・・・リボーン・・・」
「いつまでも逃げられると思うなよ、馬鹿牛が」
「そん・・っ、そんなこと」
ぎり、とリボーンの長い指が食い込んだ。必死で呼吸をするランボの唇に、リボーンは噛み付くようにキスをした。
「ん!」
(キスだ、キスしてる!)
ランボだって、ガールフレンドくらいいたからキスだってしたことがある。もちろんチュ、なんて可愛いのから、大人のキスまで。
でもこれはなんだ。
リボーンは、イーピンが好きなはずなのに。
「ん~!」
ぬる、と舌がランボの口内に入り込んだ。勝手に嘗め回して吸い上げる。これは大人のキスだ。
(嫌がらせ・・・絶対嫌がらせだ!)
潤んだ目から涙が零れ落ち、ランボは手に力をこめてリボーンを引き剥がす。
「止めろ、よっ!」
「へー・・・」
べろり、とリボーンは自分の唇をなめた。その小ばかにしたような顔つきに、むっと眉間を寄せる。弾む息を整え、
「リボーン、は、イーピンがすきなんだろ!」
「ちげーよばーか」
「・・・は?」
「ばーかばーか、あほ牛」
連続の罵倒に、また目が潤む。涙をこぼすのを見せて堪るかと、こぶしでぬぐう。それにしてもイーピンが好きじゃないなんて。
今まで自分がしていたのは気を回しすぎた・・・?
は、と気づいた時には、襟足をつかまれひきずりよせられた。
先ほどとは違い、唇を柔らかく食む感触に目を丸くする。
「え?・・・じゃあ、リボーンが好きなのって」
「とんでもねぇネンネだな」
まだわかんねえのか、とぼやくような口調でもう一度大人のキスをされた。大人のキスは・・・好きな人にするキスで。
え。
ええええ。
「ええええ!?」
「うるせえ」
あきれたようにリボーンはランボの腰をつかんだ。思わず腰を引いて後ずさってしまう。はっと気づくと、リボーンの目は危険なほどの光を含んで底光りしていた。
「あ、え・・・・っと・・・」
「まァいい。馬鹿牛を調教する時間は一杯あるからな」
「ちょうきょう・・・」
「気長にやることにするか」
なぜか一人で納得しているリボーンに、またランボは涙目になる。
なんだろう、好意を持っているのが分かったのにこの恐怖感。
ぐい、と手を引かれる。
「まずはオレの部屋に来い。たっぷり教えてやる」
「何を!」
「ナニを」
平然と答えるリボーンに、ランボは目を丸くする。
次に何が示す単語に思い至った時、悲痛な叫びが路地奥から大通りに流れそして消えていった。
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恋はあせらず

「ランボ。聞きたいんだけど」
「んぐ。なぁに、イーピン。真面目な顔で」
「ケーキを離しなさい」
ランボは名残惜しそうに、ショートケーキを離した。口の周りに付いている生クリームを、新しく開けたお絞りでぬぐってやる。
秋も深まる頃のオープンカフェはカップルが多い。その中を姉弟然とした二人は目立っていた。
「んぐんぐ。・・で、なぁに。聞きたいことって」
「リボーンのこと」
「リボーン?・・・あ~・・・前よりは好きだよ?」
気の抜けた声に、イーピンは脱力する。いや、違う。
そういう返事ではなく、もっと深い返事を求めているのだ。
「うーん・・・・なんていうかー・・・・恋愛感情で」
「れんあいかんじょう?イーピン・・・オレとリボーンは男同士だよー」
それに昔から『殺してやる』といっていた仲。ありえない、あはは。
明るく笑い飛ばして、ランボは食べかけのショートケーキをフォークでさした。

イーピンもそこまで言われると困ってしまう。モンブランをつつきながら、少し考えた。
「じゃあ、あたしとリボーンが付き合うって行ったら、どうする?」
「え!付き合うの、うそっっ!」
「た・と・え・ば!」
はしゃいで大声を上げたランボは、鋭くイーピンに制されて、愛想笑いを浮かべた。いつも可愛いイーピンは『期待される殺し屋第三位』の輝かしい未来の持ち主だ。
ランボはと打て勝てそうもない。
生クリームを舐めながら、少し考えた。
「うーん、うーん・・・相手がリボーンなのが癪だけど、おめでとうっていえる気がする」
「本当?」
「うん・・・あ、でもちょっと寂しい」
「えっ?」
イーピンは、弾んだ声を上げた。そうそう、こういう反応を待っていた!リボーンをとられて寂しいとか・・・。
「二人がくっついたら、オレ、仲間はずれじゃん?」
「え」
「ほら、三人で遊びに行ってもさ、オレだけ別行動しなきゃだし」
「・・・・」
(違うわァああ!この天然がああぁあ!)
イーピンは天辺の栗を突き刺した。ぶじゅ、と哀れな音を立ててモンブランがつぶれた。シロップをしみこませたスポンジも台無しだ。
「イ、イーピン?ごめ・・・オレ、へんなこと言った?」
「・・・言ってない」
「えーなんで怒ってるのー?あ、やっぱ付き合うのリボーンと。遠慮なく言っちゃって」
「違うったら」
ああ、もうこの激にぶ天然をどうしてくれよう。これではさすがのリボーンも手を焼くわけだ。


「そういうわけなのよ」
「そういうわけか」
はぁ。
後日。今度はリボーンと待ち合わせをしたイーピンは深いため息とともに説明をした。エスプレッソを飲みながら聞いていたりボーンは、驚きもせず、常の冷静さのまま話を聞き終えた。
「まぁ、うすうす感づいてはいた」
「やっぱりね」
「あいつはまだ子供なんだよ。好きは好き、嫌いは嫌い。恋愛感情まで育っちゃいない」
「でも好きなんでしょう?」
リボーンは器用に片眉をあげた。
「・・・・あァ、好きだ。とても」


(うへへ。今日は何を食べようかなぁ)
弾んだ足取りでランボはいつものカフェに向かっていた。入り口近くの植え込みにたどり着いた時男女の話し声が聞こえた。聴きなれた声に足を止める。
(リボーンとイーピンじゃん)
「・・・好きなんでしょう?」
「あァ、好きだ。とても」
(うえ?)
ランボは思わず立ち止まった。
あのリボーンの口から『好き』だなんだ単語が出るとは。似合わない。
似合わないのに、
(あんな甘い声がでるんだ)
いつもの無表情の声とは違う、柔らかくて感情のこもった声だ。
それをイーピンに向けていることにランボは驚いた。
(・・・いいなぁ)
ランボに向けられる声は、たいてい罵倒する声だ。アホとかばかとか牛とか。あんな甘い声を向けられたことはない。
ぎゅう、とランボは胸元を押さえた。
聞いたことのないリボーンの声、きっとイーピンもランボの見たことない女の子らしい表情だろう。
そんな二人を見るのがいやで、そっとカフェから身を引いた。そのまま来た道を後ずさっていった。


「来てたな」
先ほどランボの気配を感じていたリボーンは、エスプレッソのカップの陰でポツリと漏らした。
「・・・そうみたいね。聞かれたかしら」
「かもな」
「わざと言ったんでしょう。聞かせるように」
イーピンはあきれた顔でミルクティーを啜った。
「どうかな」
「あたし、もう知らないから」
巻き込まないでね。
釘を刺したイーピンに、にやりとリボーンは笑った。
「ま、それはあの馬鹿牛の出方しだいだ」
楽しみだ。
エスプレッソを飲み干したリボーンは言い置いて席を立つ。イーピンは手を振って見送った。
人騒がさせな幼馴染に振り回されるあたしってかわいそうかも?と重いながら。
(ああ、いい恋がしたいわァ)
カップのふちをかみながらまたしみじみとため息をついた。



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恋はあせらず

「女の子ってお花みたいだ」
「・・・」
リボーンは飲んでいたエスプレッソを逆流させそうになったが根性で押し戻した。
少しでもふざけたような雰囲気ならいい。ランボは至極真面目に話している。
「この間まで全然色気なんてなかったのに、急にふわーって可愛くなるんだよね!」
「・・・・」
「でもとっときの一番はイーピンだけどね!」
「ランボ」
「なに?あ、リボーンもそう思うだろ?」
「カフェで、大声でしゃべるようなことかそれは!」
リボーンの低い恫喝に、ランボはきょとんと目を丸くした。


イーピンが就学した頃から、ランボはお迎えと称して彼女の元に通っている。最初の頃は幼馴染が遠くに行ったようでさびしいのか、と理解していた。
しかし高校一年と中学一年になった今でも続くとなれば、お話は違ってくる。
(もしかして・・・イーピンが彼氏作るの邪魔してんの)
誰もが一回は考えたけども、誰も口に出せないことだ。
「なんだよー!今日のリボーン機嫌悪いな~」
「悪くもなる・・・お前さっきから、目立ってるんだよ!」
「ほえ?」
ぼけた声を上げつつ、ランボはカフェオレをずずいと吸った。エスプレッソのカップを神経質に弄りながらリボーンは言葉をつむぐ。
「こんな女子高の前のカフェで、大騒ぎしやがって」
下校時刻の女子高では、ぞろぞろと制服の女の子たちが吐き出されるように校門から出てくる。
一様に彼女たちはランボとリボーンのほうを見て、くすくす笑いながらそばを通り過ぎた。
彼女たちに愛想よく、片手を振りながらランボは不思議そうな声を出す。
「気にすることないのに~」
「しろ、気にしろ。マフィアだろ」
「リボーンだって、なんやかんや言ってるけど来るじゃん。オレと変わんないじゃん」
言い返したランボのわき腹に固い感触が当たる。見なくてもリボーンの銃だと分かるランボは、速攻でごめんなさい、と謝罪して訂正をした。
「リボーン、は、オレの、付き添いで、仕方なく、いるんだよね」
「その通り」
銃がしまわれるのを確認し、ランボはほっと息をついた。
ずぞーと、カフェオレを啜る。
ああ美味しい。
生きてるってすばらしい。
無意味に感動した後、はっと気づく。
「イーピン!イーピン、まだ出て着てない!」
「用事で遅いんだろう?いいから落ち着け」
「イーピーン!」
「うるせぇ!」



「あー、またいるよ。イーピンの幼馴染」
「・・・・分かってる」
教室の窓から見えるカフェにたむろって騒いでいる中学生と小学生に、イーピンはため息をついた。
友達から指摘されるまでもなく、その声と気配はきちんと届いていた。
日直で遅くなっただけなのに、すでに大騒ぎになっている。あの騒ぎの中掻き分けていくのは恥ずかしい。
「でもさー、本当にカレシじゃないの~?」
友人の声に思わず噴出してしまう。あの二人が?ありえない!
「だって、あたし年上が好きだもん」
「もったいない」
「それにちっちゃい頃から知ってるのよ?恋愛対象なんて無理無理」
そう、ランボは鼻水たらしてよくなく子で、リボーンは今ほどしゃべりはしなかったが一応赤ちゃんの頃から知っている。
「ランボ君なんか将来有望そうじゃない?今でもあんなに可愛いんだもん、絶対ハンサムだよ」
「あたし、リボーン君!小学生なのにあんなにクールなんだよ、大きくなったらもう超絶美形だと思うの!」
クラスメートの大興奮の叫びを聞きながら、イーピンは肩をすくめる。
大きくなったら二人ともマフィアのヒットマンになる予定なのよ。そうはいえないから黙っているけれど。
カバンに荷物をつめると立ち上がる。
「あたしもう帰るね。そろそろ行かないと、もっとうるさくなって大変になるから」
スカートを翻して身軽にイーピンは教室からでていく、見送りながら、
「うらやましすぎる・・・」
友達の一人が漏らした一言にクラスメートが頷いた。



「イーピンは、可愛いんだからな!お下げなんかしちゃって、目も大きくなってくりくりで真っ黒で、体も細くって!顔も小さいし」
「あーはいはい」
「ちゃんと聞けよ!そんなイーピンをほっとくわけがないだろう!」
「誰が」
「どッかの変な人?」
「俺に聞くな」
ヒートアップするランボと逆に、だんだん冷めていったリボーンはエスプレッソをお代わりしていた。
(早くイーピンこねぇかな)
「何を大声でみっともないこと言ってるの!」
「いだ!痛いよ~イーピン、いたーい」
ランボの頭を思い切りカバンで殴って撃沈させたイーピンは、リボーンに笑いかける。
「ごめんね、遅くなって!日直だったんだけど」
「分かってる。行くぞ、イーピン」
カフェの椅子からリボーンが滑り降りると、促す。イーピンも嬉しそうにその隣を歩き始める。撃沈していたランボは慌てて立ち上がり、
「ま、待って・・・待ってってば」
よろよろと二人の後ろを付いていく。
両脇を固めるように歩くイーピンも実は結構このお迎えが気に入っている。だから今しばらく恋人は要らないかな、などとも考えているのだがそれはまだ内緒にしている。

だってまだこの幼馴染たちと一緒にいるほうが、きっとずっと楽しい。
恋はいつでもできるのだから、まだまだ後で。




イーピン15歳、ランボ13歳、リボーン8歳くらいで。
希望ではランボとリボーンが同学年だといい・・・。その前に学校にいけるか、っつー感じですが。
そしてキャラクターが大幅に変わっちゃった(泣)ごめんなさい。
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