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曼珠沙華3 |
はおわぁ!!2008-10-14 Tue 22:04
久しぶりにうしとら小説をUPしたらば、いつの間にか拍手を…拍手をいただいてました!!
拍手を下さった方、拍手なしでも読んでくださった方本当に本当に本当に!!ありがとうございます!! もーねー…こんなど辺境の、なんちゃって小説を読んでくださるなんてありがたいことですよー(平伏)。 更新が遅くてすみません、管理人死んでるんじゃ?なんて思われちゃってるかもしれません。 9月まるっと更新ないもんね…。 生きてます。 妖怪の本を買いあさって資料にしつつも、楽しんでます。 なのでまたいらしてください!! |
曼珠沙華2 |
曼珠沙華 |
桜淡雪2008-07-27 Sun 23:26
桜が咲くと思い出す。
------------------------------------------------------------------------------ 「オレたちって、高校にいけるのかな」 ポツリと漏らすと、麻子は目を丸くしてうしおを見た。 真由子もじっと見つめている。 二人の視線に少しだけ前の、でもあえて口にしないようにしたことが浮かんでいる。 慌てて言葉をつなげた。 「ほ、ほら。あんまり、勉強してなかっただろ? それなのに受験っていわれても困るよな、な!?」 「そりゃ今のうしおの成績じゃあねぇ・・・」 「なんだよ!?」 「麻子ってばぁ・・・大丈夫だよ。あたしと麻子も教えてあげるから!今からでも大丈夫」 ほわん、と真由子が仲裁に入ると、 思わず二人とも和んでしまう。 「そうだよな!頼りにしてるぜ、真由子!」 「ちょっと!あたしも教えてあげるんだからねっ!」 紅い顔をした麻子が、つっけんどんに言う。 真由子がくすくす笑って、紅くなった麻子をからかっているが、うしおには何でかわからなかった。 二人の様子を見ていると、教室に入って来た担任が声をかける。 「ジャージに着替えろ〜。着替え終わったら、手伝いに行くぞ」 「「「は〜い」」」 教室にいた全員が返事をする。 手伝いとは、町の復興支援のことだ。 -------------------------------------------------------------------------------- 4月初めの白面の者との戦いで町の建物は、ことごとく壊れていた。 学校の体育館は避難所になっていたけれど、校舎は崩れ今はプレハブの校舎で勉強している。 ビルも、マンションも、見慣れた風景がすっかり変わり、オレたちは言葉も出なかった。 今はボランティアの人たちのおかげで家も立ち並び、以前の風景を取り戻そうとしている。それでも何か、真新しすぎてなじめない。 何より、 (とら) あの日から口にしない名前が、喉を焼く。 呼んでしまったら、耐え切れなくなりそうだった。 とらがいないことに。 だから、うしおは歯を食いしばって、呼ぶことはない。 うしおが都立の高校ではなく、寺の光覇明宗付属の高校に行くといったのは、その秋のことだった。 麻子も真由子も寂しそうな表情を浮かべたが、やっぱりね、という風に、頷きあっていた。 -------------------------------------------------------------------------------- それぞれの進路が決まった春先。 受験から開放された、長い休みに入る。うしおももちろん、のんびりと過ごしていた。 朝はゆっくり起きて、母の作ったご飯を食べ、スケッチに出る。 または友人とどこかに遊びに行ったりもした。友人の中では、うしおだけ近くの高校に進学しないので、寂しいのもあるのだろう、いつもよりはしゃぎまわることが多かった。 その日も、うしおは友人と夕食を食べて帰るところだった。 夜遊び、というほど遅くはないが、出れば20時を回るくらいまでは外にいるようになった。 実を言えば、紫暮と須磨子が、14年ぶりの結婚生活をしているので、うしおなりに気を使っているのもある。 「・・・・・綺麗だなぁ」 今年の冬が暖かかったので、気の早い桜がほころんでゆれている。目を細めてそれを見上げていた。 ふと思い出す。 一年前も同じように桜が咲いていて、その中で笑う麻子がとても綺麗に見えて、思わず『送ってってやるよ』と声をかけた。 桜が舞い散る中の思い出。 そして思い出はすぐに、金色の妖につながる。 「・・・・と」 細い声が上がりそうになる。唇をかみ締めてこらえる。 途端に強い風が一陣吹いた。 桜の木が撓り、咲いていた花も引きちぎられるように風に舞う。 思わず振り仰ぐと桜のとんだ先に金色が見えた。 ひゅうッと喉が鳴った。わずかに唇が開く。 「・・・とら・・・」 ささやきほどの声に、金色の妖は振り返る。そして見覚えのある、にやりとした笑いを浮かべた。 「なんでぇ、しけた面してんなぁ。うしお」 「とら!」 うしおは大きく声を上げると、そちらへ走っていく。もうすぐ手が届く、ところでふいと妖はきえた。 「・・・・とらぁ・・・」 泣き声混じりの言葉に答えるように、頬にポツリと落ちるものがあった。 「雪?」 冬の間、見ることのなかった雪がふわりと落ちていたのだ。 けしてあとを残すようなものではない、薄い雪は静かに静かに落ちてやがて夢のように、はかなく消えた。 すべては夢の中。 |
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